放射線ホルミシスの名付け親は、トーマス・D・ラッキー生命科学博士。
トーマス博士は、ミズリー大学名誉教授で生命科学の世界的権威者であり、NASAのアポロ宇宙計画に協力、地上の数百倍ともいわれる宇宙放射線環境内での危険性を調査・追及していました。その中で、放射線を大量に浴びる事は危険であるが、微量の放射線ならば体に良い事を発見しました。
ホルミシスとは、ギリシャ語で「刺激する・促進する」と言う意味で、ある物質(ここでは放射線)が高濃度、あるいは大量に用いられた場合は有害であるのに、低濃度(ここでは低放射線の事です)、あるいは微量に用いられれば逆に有益な作用を果たす現象の事を示す言葉です。
言い換えればホルモンのように身体に作用するという意味です。
トーマス博士は、微量の放射線を生体に放射すると、免疫力が強くなり、ガンにかかりにくくなるなど、生体の機能がすべて活性化されるということを発表しました。
(1982年:米国保険物理学会誌12月号)
「つまり、簡単に言いますと・・・」
体内に入った微量なラドンの放射線が細胞などに刺激を与え、その働きを高め、体内の新陳代謝を促進します。
それにより身体の免疫力や自然治癒力が高まります。
これをラドン放射線の「ホルミシス効果」と言います。
「低線量の放射線を浴びると活性化する遺伝子・免疫細胞と身体の応答反応」
ガンが治る温泉、湯治場として、三朝温泉(鳥取県)や玉川温泉(秋田県)などが有名だが、それらの温泉は放射能泉(ラドン、ラジウム等)なのです。
また、この地域に生活する人たちのガン発生率は、全国平均よりも低いという報告があります。
日常生活において、食事をし消化吸収をして肉体を維持すること。それによって発生する活性酸素がDNAにダメージをあたえ、それによって細胞がガン化する可能性が高くなったり、多くの自己免疫症をおこしたりするのです。
奈良の大学では遺伝子レベルの実験を行い、微量の放射線を浴びると体内の「ガン抑制遺伝子P53」が活性化されていることを突き止めました。ガン抑制遺伝子P53とは、DNAが傷ついた遺伝子の細胞分裂を抑えるタンパク質を作ったり、そうした細胞を抑制させるタンパク質を作る遺伝子なのです。。
また、岡山の大学では活性酸素を抑制するSOD(活性酸素を取り除く酵素)が細胞内で増加することも発見されています。
免疫を支える免疫細胞にはT・B・NKの3つが代表的です。微量放射線は、T細胞の中のヘルパー細胞を活性化させるということが研究結果で分かっています。B細胞は抗体を作る細胞で、NK細胞はナチュラルキラー細胞です。
その結果、
1.免疫力向上
2.細胞の活性化
3.自然治癒力の促進
4.新陳代謝を高める
等の作用が活発になります。
(参考文献「放射線は 生命の根源」2008年)